注目の論文

行儀のよい地球磁場

Nature Geoscience

2009年9月14日

Well-behaved geomagnetic field

11億年前に起きた地球磁場の逆転は、最近の地球磁場の振る舞いを説明するものと同じ双極子モデルにより説明できるとの研究成果が、Nature Geoscience(電子版)に報告される。これは、当時は四重極子あるいは八重極子の影響が示唆されるとしたこれまでの研究とは対照的である。

N Swanson-Hysellらは、これまでの研究で用いられた、カナダ盾状地で得られた火山岩を再調査した。火山岩中の小さい磁性粒子は、岩石が地球の表面に噴出したときの地球磁場の方向を記録している。このような記録を詳細に調べて、彼らは逆転が実際に対称的であり、地球磁場は(現在の磁場と同じ)通常の方向から逆の極性に転換したことを意味していることを見いだした。

彼らは、北米から地球磁場を再現したこれまでの結果は、およそ年間21~39 cmの速度で赤道のほうへ大陸が急速に動くことで不明瞭になっていた、と結論付けている。大陸移動はまた磁性粒子の方向に影響を与えており、磁場変動の記録を隠してしまっている。

doi: 10.1038/ngeo622

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度