注目の論文
【生態】気候温暖化による開花期間の大幅短縮
Nature Communications
2013年8月14日
Ecology: Climate warming could be a blooming disaster
ありふれた植物の開花期間が気候温暖化によって著しく短縮してしまう可能性が明らかになった。今回の研究では、遺伝子発現解析を用いて、こうした予測が行われ、この方法が気候変動の未解明のリスクの予測に有益だとする見解も示されている。
今回、佐竹暁子(さたけ・あきこ)たちは、管理された実験室条件で、多年生植物シロイヌナズナの重要な開花期遺伝子の調節的動態のモデルを作成し、そのライフサイクル事象に対する気候の影響を予測する方法を開発した。次に、佐竹たちは、このモデルを日本国内の一般的な花畑2か所で生育するシロイヌナズナ集団に適用し、開花期間が温暖化とともに徐々に短縮することを明らかにした。そして、気温が摂氏4.5~5.3℃上昇すれば、シロイヌナズナがまったく開花しなくなる可能性があるという考え方を示している。
このモデルが、遺伝子発現の季節的変化を正確に再現し、気候温暖化に対する開花時期と開花期間を予測したことから、佐竹たちは、このモデルを系統立った保全計画に利用できる可能性を示している。また、佐竹たちは、このモデルを発展させて、特定の作物種の遺伝子発現と気候変動に対する応答をモデル化できる可能性もあると考えている。
doi: 10.1038/ncomms3303
注目の論文
-
4月23日
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
4月22日
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change
-
4月11日
環境:世界のプラスチックのうち、再生材料から製造されたものは10%未満Communications Earth & Environment
-
4月10日
考古学:狩猟採集民がマルタに向けて出帆Nature
-
4月10日
惑星科学:月の裏側の水の存在量の評価Nature
-
4月9日
遺伝学:古代のDNAから湖魚の早期導入が明らかにNature Communications