注目の論文
コウテイペンギンの個体数増減予測
Nature Climate Change
2014年6月30日
Emperor penguins rise and fall
南極のコウテイペンギンのコロニーは、2100年までに減少傾向に転じ、すべてのコロニーの3分の2では個体数が現在の半分以下に減少するという予測が明らかになった。この新知見は、気候変動下の南極の海氷濃度の変化予測に基づいている。この研究結果を報告する論文が、今週、掲載される。
コウテイペンギン(Aptenodytes forsteri)のコロニーの繁栄は、海氷濃度と密接に関連している。海氷濃度が極端に低下すると、海洋食物網に悪影響が及んで入手可能な食料の量が影響を受け、極端に上昇すると、成体のペンギンがひなのために採餌して、持ち帰るまでの距離が長くなる。
今回、Stephanie Jenouvrierたちは、さまざまな気候モデルによって予測された海氷状態を考慮に入れ、45の既知のコウテイペンギンのコロニーの個体群動向をモデル化した。その結果、2040年までは、ほとんどのコロニーで個体数の前年比増加率がプラスで推移するが、2080年までには、全てのコロニーでマイナスに転じるという結果が得られた。
doi: 10.1038/nclimate2280
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