注目の論文
自然変動の気温への影響の定量
Nature Climate Change
2014年9月1日
Temperature impact of natural variability quantified
10年規模で生じる気候システムの自然変動は、地球の気温傾向の大きな要因の1つとなっているが、その影響は、ヒトの活動を原因とする温暖化の進行に比べて低下していることが分かった。この研究結果を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。
渡部雅浩(わたなべ・まさひろ)たちは、2種類の気候モデルを用い、観察された全球地表温度の変動に対する10年規模の自然変動の寄与を調べた。第1のモデルは観察された風応力を用いて1961~2012年の歴史的な気温変動をシミュレートする大気・海洋大循環モデルであり、第2のモデルは大気大循環モデルである。
その結果、10年規模の変動は、(基準とした1961~1990年の期間に比べて)1980年代には気温変動の47%を占めるが、2000年代には約27%に低下していることが分かった。この変化の原因は、人為的な温室効果ガスの排出、太陽活動、火山噴火といった外的影響の増加だった。
doi: 10.1038/nclimate2355
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