注目の論文
黄色い潜水艦による南極氷の探査
Nature Geoscience
2014年11月25日
Antarctic ice probed by a yellow submarine
南極域の海氷はこれまで考えられていたよりも厚い可能性があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。南極域の海氷の空間的広がりは人工衛星で容易に追跡できるが、上空から氷の厚さを推定することは困難であった。
Guy Williams、Ted Maksym、Jeremy Wilkinsonたちは、2010年と2012年に自律型無人潜水機を用いて南極のいくつかの海岸地域にわたり海氷の厚さ分布を調べた。研究者たちは、海水面下の氷の厚さは平均して1.4~5.5メートルであり、最も厚い海氷では16メートルもあることを発見した。これまでの研究でも北極域の海氷の厚さの測定には潜水艇が用いられてきたが、南極域での測定は船上観測と掘削孔によるものに限定されてきた。これらの限定的な研究では、ほとんどの海氷の厚さは1メートル以下であることが示唆されていた。
今回潜水艇を用いて広範な観測を行ったことで、南極域の海氷がこれまで考えられていたより厚いということが判明し、またこの発見は海氷の気候変動に対する応答予測の助けにもなるだろうと考えられる。
doi: 10.1038/ngeo2299
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications