注目の論文
干ばつ由来の森林立ち枯れに対する閾値
Nature Geoscience
2015年3月31日
A threshold for drought-induced forest diebacks
米国南西部で干ばつの恐れが高まっていることは、21世紀半ばまでにポプラの森林に広範に広がる立ち枯れをもたらす可能性があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。
干ばつの際には、植物の水に対する要求は供給に勝るので、空気の泡が植物の道管内に生じて水の流れを甚だしく減少させ、最終的には植物に死をもたらす。気候温暖化に応答して、干ばつはより強く頻繁に起きると予想されているが、現在のモデルは森林の立ち枯れを予測できていない。
William Andereggたちは、2010年、2011年および2013年の夏に得られた野外観測を用いてポプラの枝中の水流を調べ、それ以上の干ばつ条件下で木の中の水流が減少し、木に死をもたらす重要な閾値を見つけた。彼らはこの閾値を詳細な植物の水文学的モデルに取り込み、75%の精度で過去のポプラ森林の立ち枯れを予測し、この閾値が木の死亡率予測に有用であることを示した。彼らは6個の大循環モデルから得られた気候データを用いてこのモデルを実行させ、温室効果ガス放出が高くなると2050年代までに米国南西部の大部分でこの閾値を超える干ばつ条件が作り出されることを見いだした。
doi: 10.1038/ngeo2400
注目の論文
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications
-
11月12日
気候変動:南極の氷が人為的な温暖化が1.5℃の温暖化の限界に近づいていることを示唆しているNature Geoscience
-
11月12日
惑星科学:ボイジャー2号が天王星をフライバイしたのは太陽の異常現象の最中だったNature Astronomy
-
11月8日
気候変動:プライベート航空による二酸化炭素排出量の大幅な増加Communications Earth & Environment
-
11月7日
地球科学:インドプレートとユーラシアプレートの収束の加速を説明するNature
-
10月25日
保護:深刻な絶滅の危機に瀕するスマトラトラに対してより大きな保護が必要Scientific Reports