Nature ハイライト
量子情報:測定装置無依存量子鍵配送まであと一歩
Nature 607, 7920
量子鍵配送(QKD)に期待される安全性は、送信されるメッセージの改ざんを全て検出できる可能性に依存している。これは、信頼できないデバイスから漏洩する可能性を解決するものではない。量子物理学によれば、信頼できない未知のチャネルやデバイスを通した場合であっても安全な送信が可能であるが、こうした「測定装置無依存」のQDKは、実験に対する要求が極めて厳しく、まだ実現されていない。今週号では、W ZhangのグループとD Nadlingerのグループがそれぞれ、適切な安全鍵の生成には至らなかったものの、測定装置無依存QKDを実装する準備が本質的に整った実験系を報告している。
2022年7月28日号の Nature ハイライト
量子物理学:量子計算の優位性を概観する
量子情報:測定装置無依存量子鍵配送まであと一歩
電子デバイス:例外点に基づくセンサーの信号対雑音比の向上
材料科学:ゼオライトに閉じ込められた単一分子の観察
材料科学:界面変換における転位媒介ダイナミクスの解明
気候科学:グリーンランド氷河の底面弱化
古生物学:内耳の構造が示す哺乳類の内温性の起源
遺伝学:英国バイオバンク約15万人の全ゲノムデータ
神経科学:海馬に描かれたベクトル地図
神経回路:食の好みは内的な状態で変わる
免疫学:食物に対する免疫寛容を担うCD4陽性T細胞
免疫学:ADAR1変異による自己炎症性病態はZBP1に依存する
免疫学:ADAR1はZBP1の阻害を介して炎症を抑制する
細胞生物学:メカノトランスダクションは自然免疫シグナルを介して加齢を抑制する
がんゲノミクス:スーパーエンハンサーの高頻度変異によるがん遺伝子発現の変化
生化学:ポーキュパインの構造からWntのアシル化機構が判明
生化学:高いCO2還元活性の秘密はフィラメント形成