Nature ハイライト
がん:肝臓がん発生に対して相反する役割を持つ肝星細胞亜集団
Nature 610, 7931
今回、R Schwabeたちは、肝星細胞には機能の異なる2つの細胞タイプがあることを明らかにしている。一方は肝繊維化や肝臓がんから保護し、もう一方はそれらを促進する。保護的な肝星細胞は肝細胞増殖因子を分泌するのに対し、腫瘍促進性のサブセットはコラーゲンを分泌して繊維化を促す。分解可能なI型コラーゲンを含む細胞外マトリックス(ECM)は、DDR1(discoidin domain receptor 1)と下流の腫瘍促進経路を活性化したが、分解できないI型コラーゲンを含むECMではそれが起きなかった。コラーゲンを切断する6種類のマトリックスメタロプロテアーゼ群の高発現は、患者の生存率の低さと相関していることが分かった。
2022年10月13日号の Nature ハイライト
天文学:GW170817の超光速運動の光学測定
ロボット工学:使用者に合わせて速やかに最適化できる外骨格ロボット
物理化学:光触媒粒子における電荷移動の時空間的マッピング
化学:酵素を用いる交差求電子剤カップリング
惑星科学:祝融による火星のユートピア平原の地下探査
古生物学:スクレロモクルスは翼竜類の近縁動物だった
神経発達:成熟して回路に統合される移植オルガノイド
神経科学:出生前の免疫活性化によるミクログリアを介した神経回路障害
植物科学:植物の受容体様タンパク質による病原体認識機構
乳がん:ゲノム変化に基づく乳がん治療法の選択
生物学的手法:Tc毒素の受容体タンパク質Vsgの特定
がん:肝臓がん発生に対して相反する役割を持つ肝星細胞亜集団
がん:膵臓がんでのコラーゲンの二面的な役割
腫瘍免疫学:STINGアゴニストによる制御性B細胞の増加が抗腫瘍免疫を抑制
エピジェネティクス:SARS-CoV-2は宿主のヒストンを模倣する
生化学:構造が分からなくてもタンパク質を狙い通りに改良できる新しい方法
構造生物学:エボラウイルスのゲノムRNA合成を行うポリメラーゼ複合体の構造
構造生物学:キチンの作り方