Nature ハイライト
量子物理学:キュービット数の増加によって向上する量子誤り訂正
Nature 614, 7949
量子誤り訂正は、量子情報を物理キュービットの集合に符号化すること、つまり論理キュービットの形成に基づいて、情報に影響を与えずに誤りを検出・訂正する。論理キュービットを構成するキュービットが多いほど、論理キュービットの耐性は高まるはずである。しかし、現実的な観点からは、操作するキュービットが多いほど、持ち込まれる誤りは多くなる。量子コンピューターの実現に近づくには、加わる誤りを耐性の向上が上回る必要がある。今回Google量子AIチームは、チップ内の多数の超伝導キュービットに符号化された論理キュービットの性能を報告し、符号化が大きいほど誤りが少なくなることを明らかにしている。
2023年2月23日号の Nature ハイライト
がん免疫療法:CAR T細胞療法のこれまでとこれから
量子物理学:キュービット数の増加によって向上する量子誤り訂正
物性物理学:新種の走査型プローブ顕微鏡
物性物理学:グラフェンにおける流体力学的な励起
エネルギー科学:極端な条件下のLiイオン電池の設計
環境科学:1900年以降の氷河堰止湖の洪水流量の減少
進化学:海洋の生物多様性の緯度勾配の始まり
進化学:海洋微生物の群集構造の気候変動に伴う変化
考古学:ヒッタイト帝国滅亡の原因は長引く干ばつであった
神経科学:暑さ寒さも皮質まで
神経科学:神経活動依存的なDNA損傷に対する新たな修復機構
発生生物学:計算による細胞アイデンティティーの分析
免疫学:COVID-19罹患後の免疫系の変化には性差がある
免疫学:機能的なT細胞は長寿命で無限の増殖能を持つ
細胞生物学:テロメアを介した腫瘍抑制機構
計算生物学:深層学習を使って活性と特異性の高い酵素をde novo設計する
構造生物学:抗ウイルス性ヌクレオシド類似体に対する選択性の構造基盤
構造生物学:ナトリウム–塩素イオン共輸送体の構造と輸送機構