Nature ハイライト
微生物学:海洋細菌が地球の栄養素循環に果たす役割の大きな手掛かりが明らかに
Nature 634, 8034
細菌のSAR11は、海洋表面に最も大量に存在する微生物で、栄養分の乏しい環境中で基質を取り込むのを、極めて特異性が高く効率の良い輸送タンパク質の働きに頼っている。ゲノム全体にわたる特性解析の結果が今回報告され、これらの輸送タンパク質がこれまでに例のないほど高い結合親和性を持つことが示された。SAR11については、これまで知られていなかった炭素源や基質取り込みの生物地理学的パターンも明らかになり、この菌が海洋の生物地球化学的循環に果たす役割の理解が深まった。
2024年10月17日号の Nature ハイライト
天文学:新たなペバトロン候補の発見
電子工学:機械学習とグラフェン化学センサーの融合
超伝導:加圧されたニッケル酸塩のバルク高温超伝導
有機合成:ニッケル錯体を用いたアルキル–アルキルカップリング反応
電気化学:電極触媒を用いたアレーンの還元的重水素化
気候科学:ヨーロッパの気候と農業を制御するジェット気流
社会科学:制裁の見かけの偏りの背景にある誤情報の共有傾向
進化遺伝学:農耕がもたらしたアミラーゼ遺伝子の変化
神経科学:ヒトのにおい認識を単一ニューロンレベルで明らかにする
動物行動学:恋で盲目になるのはドーパミンのせい
神経科学:軸索投射の長短は操作できる
発生生物学:発生早期におけるBMP4の時空間的な役割の解明
神経変性:前頭側頭葉変性症で見つかったヘテロマー型アミロイド繊維
微生物学:盗んだ武器で防御を破る
老化:寿命を延ばす食餌制限法が健康にも良いとは限らない
がん免疫療法:2型免疫は免疫療法による奏効を長期間持続させる
微生物学:海洋細菌が地球の栄養素循環に果たす役割の大きな手掛かりが明らかに
構造生物学:ヒトδγ T細胞受容体の完全な構造