Nature ハイライト
惑星科学:地球と火星の表面の水がたどった異なる運命
Nature 552, 7685
水は、地質時代の大半にわたって地球の表面に存在していたと考えられているが、火星では、火星の形成直後に表面から姿を消した。J Wadeたちは今回、地殻の水を含む苦鉄質岩石の埋設や変成作用によって、地球と火星の表面から除去される可能性がある水の相対体積を定量化している。その結果、地球の溶岩より比較的酸化第一鉄に富む火星の溶岩の変成鉱物集合体は、変成した地球の玄武岩よりも約25%多く水を保持できることが示された。このような鉱物集合体は、火星内部の比較的より深部まで水を輸送できる。地球では、浮力の大きな苦鉄質地殻が存在し、地温勾配がより大きいため、地質史の初期に上部マントルが加水される可能性が低くなり、表面近傍に水が保持されたと考えられる。
2017年12月21日号の Nature ハイライト
有機化学:E型アルケンとZ型アルケンの簡便合成
神経変性疾患:ASCスペックはアミロイドβに結合する
免疫学:病原体の記憶
天文学:よじれた消火ホースから噴き出しているようなブレーザーの光子
天文学:太陽系外から訪ずれた小惑星
素粒子物理学:宇宙線粒子によってピラミッド内に新たな部屋が見つかった
惑星科学:地球と火星の表面の水がたどった異なる運命
古生物学:水鳥型恐竜の出現
微生物生態学:微生物は微量ガスからエネルギーを得ている
構造生物学:塩素イオンチャネルTMEM16Aの構造を解明