Nature ハイライト
量子物理学:ローレンツ対称性は破れていない
Nature 567, 7747
今では原子時計は、基礎物理学の検証や標準模型を超える物理学の探究に使用できるほどの性能測定基準に達している。今回C Sannerたちは、独立した2つの単一イオン時計が10−18のレベルで一致することを実験的に示し、これらの時計の不確かさバジェットの妥当性を初めて6か月間にわたって確かめている。これらの時計の2つのイッテルビウムイオンは、それぞれ別のトラップに閉じ込められており、量子化軸が異なる方向に並んだ磁気的に敏感でない状態であることが見いだされた。こうした条件では、ローレンツ対称性の破れが生じているとすれば、これらの時計の周波数は時間とともに異なってくると思われる。そうした観測可能な効果が10−19のレベルで見られなかったことから、電子に関するローレンツ対称性の破れのパラメーターにこれまでの値より2桁厳しい、10−21のオーダーの新しい制限値が得られた。
2019年3月14日号の Nature ハイライト
微生物学:細菌の重要なシグナル伝達分子を合成する大きな酵素ファミリーが見つかった
量子物理学:ローレンツ対称性は破れていない
物性物理学:非従来型超伝導体のネマチック量子臨界
物性物理学:量子臨界点を示すもの
有機化学:配向基不要の選択的C–H官能基化
幹細胞:骨における幹細胞ニッチの樹立
微生物学:マラリア伝播を阻止する新しい戦略
がん:転移のための肝臓ニッチ
細胞シグナル伝達:p53に依存した代謝が腫瘍増殖を抑制する
細胞生物学:始原的なcGAS経路