Nature ハイライト
有機化学:配向基不要の選択的C–H官能基化
Nature 567, 7747
一般的に芳香族化合物のC–H官能基化反応は基質の電子状態によって決まり、そうした反応によって複数種の生成物が生じることが多い。最近では、配向基を用いることによって位置選択性が実現されている。今回T Ritterたちは、この選択性の問題に対して、配向基を必要とせず、アレーンの置換パターンに依存しない位置選択性の高い方法を報告している。硫黄系ラジカル化学を用いることで、パラ位にチアントレニウム基を導入できる。チアントレニウム基は、合成の要として機能し、遷移金属触媒反応と光酸化還元触媒反応を通してさまざまな官能基に変換できる。著者たちは、アリール化ピラゾールを合成する新種のミニスキ反応を報告している。
2019年3月14日号の Nature ハイライト
微生物学:細菌の重要なシグナル伝達分子を合成する大きな酵素ファミリーが見つかった
量子物理学:ローレンツ対称性は破れていない
物性物理学:非従来型超伝導体のネマチック量子臨界
物性物理学:量子臨界点を示すもの
有機化学:配向基不要の選択的C–H官能基化
幹細胞:骨における幹細胞ニッチの樹立
微生物学:マラリア伝播を阻止する新しい戦略
がん:転移のための肝臓ニッチ
細胞シグナル伝達:p53に依存した代謝が腫瘍増殖を抑制する
細胞生物学:始原的なcGAS経路