Research Press Release
粘膜の記憶を選択
Nature Immunology
2011年10月3日
粘膜のところで防御免疫記憶が生じる仕組みが明らかになった。
多くの病原体は、粘膜から体に入る。粘膜は主に腸や気道の内側を覆う組織であり、この部分に効率よく記憶を生じさせる方法を解明することが、長い間、目標とされてきた。
H Cheroutreたちは、記憶T細胞の選択に影響するTLと呼ばれる分子を同定した。TLは腸の上皮細胞表面で発現され、T細胞と相互作用する。驚いたことに、T細胞が別の表面分子CD8ααを発現しない場合には、TLがそのT細胞の細胞死を誘導する。CD8ααは、T細胞活性化によって発現が誘導され、しかも高親和性細胞ほどCD8ααの発現量が多い。つまり、TLとCD8ααの相互作用が、粘膜組織を巡回監視する記憶T細胞の中から、より効果的なものを選択する方法として働いている。
doi:10.1038/ni.2106
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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