Research Press Release
米国フロリダキーズのサンゴの成長速度は少なくとも1996年までは衰えていなかった
Nature Communications
2011年3月2日
フロリダキーズ沖(米国フロリダ州)に生息する亜熱帯サンゴ種は、1996年までの60年間にわたって、環境の変化に耐えていたことを報告する研究論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。このサンゴ礁が最適ではない環境条件下でも成長し、石灰化する能力を持続できた原因の1つは、生息地が亜熱帯だったことだと考えられている。なお、この研究は、1996年以降については行われていない。大気中の二酸化酸素濃度の増加と海面水温の上昇の組み合わせで起こる海洋の酸性化は、サンゴの石灰化と成長を抑制して、サンゴ礁生態系の劣化を引き起こすと考えられている。今回、K Helmleらは、フロリダキーズの7か所の亜熱帯サンゴ礁について、1937年から1996年までのサンゴ成長記録の傾向、変化と10年平均値を報告している。こうした成果は、これらのサンゴ礁が健康であることを意味するものではないが、フロリダキーズの亜熱帯サンゴ種の成長速度が、サンゴを採取した1996年までの近年の気候変化に対し耐性を有していたことが示唆されている。
doi:10.1038/ncomms1222
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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