Research Press Release

記憶に残る「どこ」と「いつ」

Nature Neuroscience

2013年1月28日

ヒトの脳において過去の出来事の場所とそれが起こった時期とを対比させて思い出すのにかかわる神経的目印についての報告が、今週のオンライン版に掲載される。

何か過去にあった出来事を思い出すとき、記憶痕跡にはその出来事が起こった時と場所の情報が含まれている。Arne Ekstromたちは、患者の神経活動を測定するために脳内記録を用い、対象者が記憶想起課題を行っている間に臨床記録をとった。その結果、過去の出来事について場所を思い出しているときとその時期を思い出しているときとで、それに伴って自然発生する脳リズムの頻度が異なることがわかった。またEkstromらは、両方の記憶要素について脳の海馬傍回という領域に活動の中枢があること、一方、記憶想起における時と場所の追想には頭頂部および前頭前野の皮質という異なる領域の活動が付随していることも発見した。

この研究は、記憶痕跡から特定の情報を回収する方法について新たな洞察をもたらすものである。

doi:10.1038/nn.3315

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度