Volume 418 Number 6897

News & Views

惑星科学:輪の中にはっきりと見える衝突の影響

Planetary science: Impacts in the round p.487

北海の深海底に良い状態で保存されていたクレーターが発見された。これは、今から約6000万年前に地球外天体との衝突で形成されたものと考えられる。

doi: 10.1038/418487a

神経生物学:カンナビノイドでもう安心

Neurobiology: Never fear, cannabinoids are here p.488

恐ろしい出来事が脳内に記憶される過程については解明されたが、その記憶が消去される過程はいまだに謎のままだ。その答えには、私たちの体内で産生されるカンナビノイド化合物が関係しているかもしれない。

doi: 10.1038/418488b

地球科学:地球内核の年代算定

Earth science: Core values p.489

固体である地球内核の年代を算定するのは難問であった。ただ、内核に含まれるカリウムの量が従来の予想よりも多いとする考え方は、推定年代のばらつきを解消する上で役立つかもしれない。

doi: 10.1038/418489a

材料:木の細胞組織を精密に再現するゼオライト

Materials: Zeolites branch out p.491

多孔質構造体であるゼオライトは、テンプレートを使って成形し、各種用途に利用できる。このテンプレートに木は不向きなように思われるかもしれないが、実際には木のテンプレートを使って成形したゼオライトが木の細胞組織を極めて精密に再現したのだ。

doi: 10.1038/418491a

発生生物学:四肢発生モデルに進展

Developmental biology: Making progress with limb models p.492

どのような発生機構が働くと、我々の前腕や指と二の腕とがちがうものになるのだろうか。2つの新しい研究が、大きな影響力を持ち一般的に受け入れられているモデルに疑問を投げかけ、別の見解を提起している。

doi: 10.1038/418492a

応用物理学:超高速の磁化切り替え

Applied physics: Ultrafast magnetic switching p.493

磁気メモリ装置は、データ保存をする際に、媒体における磁気ベクトルの高速切り替えに依存している。磁場パルス整形技術を取り入れることで、磁気メモリのスピードアップを図れるかもしれない。

doi: 10.1038/418493a

細胞周期:有糸分裂の立て役者

Cell cycle: Oscillation sensation p.495

細胞が核の分裂、つまり有糸分裂を終了させ、次の細胞分裂周期に入る前には、さまざまな分子が登場し働いて、有糸分裂の幕引きを行う。そうした分子の1つであるタンパク質のClb2は新たに脚光を浴びることになったが、別のタンパク質Clb5の方は舞台を降りざるをえないようだ。

doi: 10.1038/418495a

Article

発生:外胚葉性頂堤からのFGFシグナル伝達が四肢発生に果たす機能

Functions of FGF signalling from the apical ectodermal ridge in limb development p.501

doi: 10.1038/nature00902

Letters

物理:ピコ秒磁場パルスの整形による超高速歳差運動磁化反転

Ultrafast precessional magnetization reversal by picosecond magnetic field pulse shaping p.509

doi: 10.1038/nature00905

化学:単一パルスでコヒーレントに制御された非線形ラマン分光法と顕微鏡

Single-pulse coherently controlled nonlinear Raman spectroscopy and microscopy p.512

doi: 10.1038/nature00933

化学:石油精製触媒としての可能性を有する細孔開口部が広い大孔径ゼオライト

A large-cavity zeolite with wide pore windows and potential as an oil refining catalyst p.514

doi: 10.1038/nature00924

地球:強い残留磁化を説明できるチタン鉄鉱― 赤鉄鉱系列のラメラ磁化

Lamellar magnetism in the haematite?ilmenite series as an explanation for strong remanent magnetization p.517

doi: 10.1038/nature00942

地球:北海で発見された直径20kmの多重環状衝突構造

A 20-km-diameter multi-ringed impact structure in the North Sea p.520

doi: 10.1038/nature00914

生態:フラクタル幾何学から、哺乳類および鳥類の行動圏に対して変化する体サイズのスケーリング関係を予測する

Fractal geometry predicts varying body size scaling relationships for mammal and bird home ranges p.527

doi: 10.1038/nature00840

神経:忌避記憶の消去を調節する内在性カンナビノイド系

The endogenous cannabinoid system controls extinction of aversive memories p.530

doi: 10.1038/nature00839

遺伝:概日周期の主観的夜における遺伝子発現にかかわる転写因子応答配列

A transcription factor response element for gene expression during circadian night p.534

doi: 10.1038/nature00906

発生:脊椎動物の四肢発生における遠近パターン形成の見直し

A re-examination of proximodistal patterning during vertebrate limb development p.539

doi: 10.1038/nature00945

遺伝:ヒト第22染色体の第1世代連鎖不平衡地図

A first-generation linkage disequilibrium map of human chromosome 22 p.544

doi: 10.1038/nature00864

細胞:トキソプラズマ原虫Toxoplasma gondiiでのゴルジ体生合成

Golgi biogenesis in Toxoplasma gondii p.548

doi: 10.1038/nature00946

免疫:T細胞受容体がペプチド‐MHCを認識する2段階結合メカニズム

Two-step binding mechanism for T-cell receptor recognition of peptide?MHC p.552

doi: 10.1038/nature00920

細胞:有糸分裂の終了には、APCに依存して起こる有糸分裂サイクリンClb2の分解が不可欠である

APC-dependent proteolysis of the mitotic cyclin Clb2 is essential for mitotic exit p.556

doi: 10.1038/nature00856

生化学:Rad50の亜鉛フックという構造は、DNA組換えと DNA修復の際にMre11複合体を結びつける働きをする

The Rad50 zinc-hook is a structure joining Mre11 complexes in DNA recombination and repair p.562

doi: 10.1038/nature00922

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