Volume 422 Number 6930

今週のハイライト

目次

News & Views

ゲノム進化:どちらが先に起こったか

Genome evolution: It's all relative p.383

遺伝子の進化系統樹を構築することで、シロイヌナズナの進化の歴史においては、大規模なゲノム重複が3回、酵母の最近の歴史では1回起こったことがわかった。

doi: 10.1038/422383a

非線形力学:無秩序から同調へ

Nonlinear dynamics: Synchronization from chaos p.384

連動している力学系中に外見上の秩序を産み出すことは容易ではない。しかし、数学的な方法は、系をもっと効率よく同調させ、無秩序状態を軽減するための手段となりそうだ。

doi: 10.1038/422384a

神経生物学:鍵を握る4種のタンパク質

Neurobiology: Ballads of a protein quartet p p.385

発生中の脳や、アルツハイマー病にかかった脳におけるニューロンの運命については、細胞膜を貫通している2種類の分子の切断を調節する4種のタンパク質からなる複合体が鍵を握っているらしい。4つのタンパク質それぞれが持つ役割の解明が進みつつある。

doi: 10.1038/422385a

量子コンピューティング:論理ゲート

Quantum computing: Logic gateway p.387

2つの研究グループが、捕獲イオン対を使って論理ゲートの作成に成功した。こういうゲートは、量子コンピューターの部品として、実現可能なスケールアップした系の一部を構成する可能性がある。

doi: 10.1038/422387a

古生物学:霊長類の化石をつなげたら

Palaeontology: Combing the primate record p.388

ブッシュベビーとよばれるガラゴやロリスの化石が、エジプト北部のファイユーム盆地で見つかり、2000万年前と思われていたこの種の霊長類の出現時期が、ほぼ4000万年前にまで遡ることになった。

doi: 10.1038/422388a

量子物理学:複雑な事情

Quantum physics: Wheels within wheels p.391

疑似粒子は、相互作用する粒子の大規模な系に関する計算を簡略化するために使われる巧妙な工夫の1つだが、これにより分数量子ホール効果が説明できるようだ。しかし、そうなると、もっとたくさん疑似粒子を作る必要があるのだろうか。

doi: 10.1038/422391a

Article

生化学:単分子蛍光偏光測定によるミオシンVの三次元構造動力学

Three-dimensional structural dynamics of myosin V by single-molecule fluorescence polarization p.399

doi: 10.1038/nature01529

Letters

宇宙:星周辺の光エコーを伴った高エネルギーの星の爆発的増光

An energetic stellar outburst accompanied by circumstellar light echoes p.405

doi: 10.1038/nature01508

物理:Cirac‐Zollerの制御NOT量子ゲートの実現

Realization of the Cirac?Zoller controlled-NOT quantum gate p.408

doi: 10.1038/nature01494

物理:緩和に強く信頼性の高い2イオンキュービット幾何学位相ゲートの実証実験

Experimental demonstration of a robust, high-fidelity geometric two ion-qubit phase gate p.412

doi: 10.1038/nature01492

物理:電子マッハ・ツェンダー干渉計

An electronic Mach?Zehnder interferometer p.415

doi: 10.1038/nature01503

気候:更新世中期に熱帯の海面水温による支配を受けたアフリカの植生

African vegetation controlled by tropical sea surface temperatures in the mid-Pleistocene period p.418

doi: 10.1038/nature01500

進化:太古のロリス類とガラゴ類の分岐を裏付ける化石証拠

Fossil evidence for an ancient divergence of lorises and galagos p.421

doi: 10.1038/nature01489

進化:知られるうちで最古の現生サンショウウオ類

Earliest known crown-group salamanders p.424

doi: 10.1038/nature01491

医学:インフルエンザ進化の生態学的および免疫学的決定要因

Ecological and immunological determinants of influenza evolution p.428

doi: 10.1038/nature01509

進化:染色体重複現象の系統解析による被子植物のゲノム進化の解明

Unravelling angiosperm genome evolution by phylogenetic analysis of chromosomal duplication events p.433

doi: 10.1038/nature01521

生化学:γ‐セクレターゼ複合体中のプレセニリン補因子が果たす役割

The role of presenilin cofactors in the γ-secretase complex p.438

doi: 10.1038/nature01506

生理:NADPH酸化酵素が産生する活性酸素種による植物細胞の成長調節

Reactive oxygen species produced by NADPH oxidase regulate plant cell growth p.442

doi: 10.1038/nature01485

生化学:タイチンの力学的性質の隠れた複雑さ

Hidden complexity in the mechanical properties of titin p.446

doi: 10.1038/nature01517

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