Nature ハイライト

分子生物学:腫瘍抑制における相分離

Nature 597, 7878

生物学で相分離が担う生理的役割の範囲は次第に広がりつつある。今回H Jiangたちは、よく知られているX連鎖腫瘍抑制因子でヒストンデメチラーゼでもあるUTXが相分離を起こす仕組みを明らかにし、これがUTXの機能に不可欠なことを示している。UTX凝縮体の中にはヒストンメチルトランスフェラーゼMLL4(別名KMT2D)も見つかり、別々の区画内でこの2つの活性が共に高まっていた。Y染色体上の類似タンパク質UTYはより強い相分離を起こすが、腫瘍抑制活性は低い。これはおそらく、UTY凝縮体中ではタンパク質の運動性が低いからだろう。

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