Nature ハイライト
材料科学:層間回転したファンデルワールス膜における異方性熱伝導体
Nature 597, 7878
異方性熱伝導体は、断熱と効率的熱伝導を異なる方向に沿って同時に実現するという、方向性のある熱輸送を可能にする。熱流を方向付ける能力は、集積回路においてホットスポットを除去するとともに、熱に敏感な部品を熱源から保護できるため、温度管理技術に不可欠である。今回J Parkたちは、ランダムに層間回転した大面積ファンデルワールス薄膜に基づく極めて異方性の高い熱伝導体を報告している。この熱伝導体では、層間回転によって面に垂直な熱輸送が妨げられる一方で、長距離層内結晶性によって高い面内熱伝導率が維持される。今回の結果は、結晶性層状材料における層間回転を、固体系における工学的に方向付けられた熱輸送の新たな自由度として確立するものである。
2021年9月30日号の Nature ハイライト
惑星科学:火星における湖の洪水
物性物理学:2Dウィグナー結晶の画像化
材料科学:層間回転したファンデルワールス膜における異方性熱伝導体
計算機科学:降水量の準リアルタイム予測
生態学:植物と花粉媒介者の相互作用は希少種に有利に働く
神経科学:ニューロンのサブタイプ出現の誘導
コロナウイルス:ニューヨークでのSARS-CoV-2変異株の追跡
がん:膵臓の正常な恒常性から腫瘍発生へ
分子生物学:CRISPRエフェクターの進化を追跡する
分子生物学:腫瘍抑制における相分離
がん:EFGR変異体の薬剤感受性を構造によって分類する