Nature ハイライト
分子生物学:マイクロRNAを選別する
Nature 601, 7893
マイクロRNA(miRNA)の中には細胞間で交換されるものがあり、こうしたRNAは受容側の細胞中で機能できることが知られている。R Kahnたちは今回、特定のmiRNAが選ばれ、小型の細胞外小胞に入れられて輸送される仕組みを明らかにした。miRNAが細胞内にそのまま保持されるか、それとも小型の細胞外小胞へと運び込まれ、分泌されて標的細胞に取り込まれるかを決定する特異的モチーフが見つかったのである。2種類のRNA結合タンパク質AlyrefとFusは、分泌を指示するEXOモチーフの1つCGGGAG配列を持つmiRNAの小胞への運び込みを促進する。循環中のmiRNAの起源に関する今回の知見は、RNAを使う治療法の開発にも役立つ可能性がある。
2022年1月20日号の Nature ハイライト
天文学:ブラックホールが誘発した星形成
天文学:局所バブルの膨張が促した太陽近傍の星形成
光物理学:非エルミートなフロケ準結晶に見つかった三重相転移
材料科学:無機–有機ハイブリッド材料の構造決定
化学生物学:ナノ粒子のキラリティーが免疫応答に及ぼす影響
気候科学:21世紀末にはスバールバル諸島の質量損失が2倍になる
環境化学:COVID-19ロックダウン期間中に減少したNO2濃度
考古学:ニューファンドランド島にバイキングが居住していた年代
考古学:バイキングは略奪ではなく交易によって拡大した
神経科学:ヒト皮質ニューロンの発生系譜
神経科学:ニューロンが多様性を獲得するタイミング
コロナウイルス:第2世代COVID-19 mRNAワクチンの有効性
免疫学:炎症部位での免疫細胞の挙動の全体像
ヒトの発生:妊娠評価のためのリキッドバイオプシー
がん:バリンtRNAの脱調節による白血病の抑制
がん:クロマチン因子の標的化による腫瘍増殖阻害
分子生物学:レトロエレメントに対するゲノム防御機構
分子生物学:マイクロRNAを選別する
創薬:110億個を超える化合物を調べる方法
構造生物学:分子シャペロンがクライアントタンパク質の構造を整える仕組み