Nature ハイライト

創薬:110億個を超える化合物を調べる方法

Nature 601, 7893

創薬の早期段階で使える化合物のバーチャルライブラリーのサイズは、最近急拡大しており、分子の数は現在では数十億に達している。それらのスクリーニングには、非常に大規模な計算機資源を必要とする。今回V Katritchたちは、ライブラリー全体に代わるものとして分子断片、すなわちシントンをスクリーニングすることにより、そうした負担を大きく減らす方法を報告している。この方法ならば、110億個を超えるバーチャルライブラリーについて、たった数百万個の化合物をスクリーニングすれば良いことになる。V-SYNTHESと名付けられたこの方法をカンナビノイド受容体CB1とCB2、それにキナーゼROCK1に適用し、ヒット化合物の一部を実験によって検証したところ、1億1500万個の化合物からなる同類のライブラリーのスクリーニングよりも成功率が高いことが明らかになった。

2022年1月20日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度