Nature ハイライト
素粒子物理学:陽子の内部に垣間見えた固有クォーク
Nature 608, 7923
陽子は、グルーオンによって3個の軽クォーク(アップ、アップ、ダウン)が結び付けられてできている。量子ゆらぎによって、陽子の内部に他のクォークが一瞬現れるはずである。こうした重クォークは、衝突で生成される粒子と区別するために「固有クォーク」と称され、陽子の質量に寄与していると思われるが、その存在を示す直接的な証拠はまだ見つかっていない。今回R Ballたちは、衝突型加速器の豊富なデータ、特に大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のRun2実験のデータに対して、機械学習分析を開発して適用し、陽子の波動関数の内部に固有チャームクォークが存在することを示す証拠を見いだしている。
2022年8月18日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:陽子の内部に垣間見えた固有クォーク
光物理学:極端紫外領域で観測されたラビ振動
量子物理学:原子を運ぶトポロジカルなポンプ
物性物理学:ナノカプセルに高圧の揮発性物質を閉じ込める
エネルギー材料:水に浮くソーラー燃料生産デバイス
古海洋学:海洋酸素化を制御する大陸の配置
古生物学:早々に海へと帰った四肢類
ゲノミクス:RNA編集が炎症性疾患の遺伝的リスクに関与
コロナウイルス:SARS-CoV-2オミクロン株亜系統による免疫回避
コロナウイルス:SARS-CoV-2オミクロン株の亜系統で見られた抗体回避
がん:発がん性FGFR2バリアントの体系的な解析
分子生物学:PIWIタンパク質のRNA切断活性を強化するタンパク質
生化学:亜酸化窒素還元酵素の組み立て経路