Nature ハイライト
Cover Story:多孔質の水:乾いた空洞を持つナノ結晶で水による高濃度の気体貯蔵が可能に
Nature 608, 7924
気体の多くは水に溶けるが、液体に保持され得る量は比較的少ない。今回J Masonたちは、永続的に「多孔質」の水を作り、液体に高い濃度で気体を貯蔵できるようにするシステムを提示している。彼らは、これを実現するために、調整した細孔性ナノ結晶を水や水溶液に懸濁させた。この固体の内部表面が水分子をはじくため、周囲の液体から気体を容易に吸着できる「乾いた」細孔が作られる。この方法によって、著者たちは、酸素や二酸化炭素などの気体を、水だけで可能な濃度よりずっと高い濃度で貯蔵することができた。今回の成果は、酸素の豊富な水は血液の代わりになる可能性があるため、生物医学に影響を及ぼすかもしれない。
2022年8月25日号の Nature ハイライト
量子物理学:多光子エンタングル状態の高効率生成
量子物理学:シリコン上で実現された誤り訂正
レーザー:スケーラブルな単一モードレーザー
材料科学:計算する材料
材料科学:高速充電可能なアルミニウム–カルコゲン電池
気候科学:オゾン層回復に関する新たな指標
免疫学:ヒトリンパ球における変異の全体像
生物工学:細胞を生きたまま解析できるLive-seq法
神経科学:社会的行動中の神経表現の変化
神経科学:ニューロンがミクログリアの性質を決める
免疫学:レトロトランスポゾンが感染による免疫応答を抑制
心血管疾患:心筋梗塞後の空間的マルチオミクスマップ
がん:化学療法後の大腸がんの再燃機構
構造生物学:抗ファージ防御を誘導するSTINGフィラメント形成の構造的基盤
構造生物学:サイクリックヌクレオチドに対して誘導されるウイルス防御のエフェクター活性化機構
構造生物学:テロメラーゼとDNAポリメラーゼα–プライマーゼによるテロメア合成
分子生物学:テロメア複製の準備を整えるCST複合体
構造生物学:ヒトPolα–プライマーゼの構造