Nature ハイライト
Cover Story:恐竜の分布:ジンバブエの化石によって明らかになった初期の恐竜種の分布域に対する気候的制約
Nature 609, 7926
表紙は、ジンバブエ共和国で新たに発見された、約2億3000万年前の草食恐竜Mbiresaurus raathiの想像図である。この竜脚形類の化石は、アフリカの既知最古の恐竜を含む後期三畳紀の化石群の一部を成す。今回C Griffinたちは、ジンバブエ自然史博物館の古生物学者と共に発見したこの化石群について検討している。彼らは、今回の化石群が、後期三畳紀に同じ緯度帯に位置した南米とインドで発見されている類似の化石群と関連しており、恐竜の分布と気候的な障壁が相関していることが示唆されると指摘している。さらに、これはパンゲア超大陸には東西に走る乾燥気候帯や湿潤気候帯が存在したとする考えと一致しており、こうした初期の恐竜の分布域は、気候的な障壁が緩和されるまでパンゲア南部に限定されていたことも示された。
2022年9月8日号の Nature ハイライト
天文学:とかげ座BLのジェットの準周期的振動
プラズマ物理学:熱核融合へのさらなる一歩
化学:対部位触媒による有望な二官能性反応
化学:化学燃料で動く一方向性回転分子モーター
気候変動:パリ協定と農業収量の低下
環境化学:森林のモノテルペン鏡像異性体の生成機序と環境的影響
神経科学:海馬の空間地図と文脈記憶を結ぶFos
微生物学:多剤耐性菌のバイオフィルム形成に関与するCsu線毛の構造
生物工学:ビンブラスチン生産の微生物サプライチェーン
免疫学:マクロファージの重要な免疫代謝調節因子LACC1
免疫学:MYBによる疲弊T細胞応答の制御機構
代謝:イノシンは脂肪細胞の熱産生能力を高める
遺伝学:クロマチンアクセシビリティーの空間分解プロファイリング
分子生物学:TnsCがRNA誘導性転位の標的部位を決める仕組み
分子生物学:COOLAIR RNAの構造は条件に応じて多彩に変化する
構造生物学:SHOC2がRASシグナル伝達を調節する仕組み
構造生物学:MRAS GTPアーゼのクライオ電子顕微鏡構造
構造生物学:MRAS–SHOC2–PP1C複合体の結晶構造