Nature ハイライト

Cover Story:恐竜の分布:ジンバブエの化石によって明らかになった初期の恐竜種の分布域に対する気候的制約

Nature 609, 7926

ジンバブエ北部で見つかった、三畳紀の新種の恐竜<i>Mbiresaurus raathi</i>の想像図。
ジンバブエ北部で見つかった、三畳紀の新種の恐竜Mbiresaurus raathiの想像図。 | 拡大する

Credit: Andrey Atuchin

表紙は、ジンバブエ共和国で新たに発見された、約2億3000万年前の草食恐竜Mbiresaurus raathiの想像図である。この竜脚形類の化石は、アフリカの既知最古の恐竜を含む後期三畳紀の化石群の一部を成す。今回C Griffinたちは、ジンバブエ自然史博物館の古生物学者と共に発見したこの化石群について検討している。彼らは、今回の化石群が、後期三畳紀に同じ緯度帯に位置した南米とインドで発見されている類似の化石群と関連しており、恐竜の分布と気候的な障壁が相関していることが示唆されると指摘している。さらに、これはパンゲア超大陸には東西に走る乾燥気候帯や湿潤気候帯が存在したとする考えと一致しており、こうした初期の恐竜の分布域は、気候的な障壁が緩和されるまでパンゲア南部に限定されていたことも示された。

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