Nature ハイライト 細胞:骨格作りの基盤となるタンパク質のチームワーク 2006年3月9日 Nature 440, 7081 大理石骨病は骨の密度が高くなりすぎるヒトの珍しい先天性疾患だが、2種類のタンパク質の変異がこの病気を引き起こす仕組みが明らかになった。 Ostm1とCIC-7の変異が共にこの病気の原因になることは既に知られていた。T Jentschたちは今回、Ostm1が、膜のイオンチャネルであるCIC-7と複合体を形成することをマウスで明らかにした。この複合体は、分子の分解を役割とする細胞区画であるリソソームと、骨を破壊する破骨細胞の波状縁へと運ばれる。 この複合体の2つの成分はどちらも相手がないと不安定なため、どちらかのタンパク質に変異があると、大理石病にみられる骨吸収の阻害が起こる。また著者たちは、Ostm1をもたないマウスがCIC-7をもたないマウスと同様に、リソソーム蓄積症(ヒトでもみられるリソソーム異常の1つ)の特徴である、より広い範囲の異常を示すことも発見した。 2006年3月9日号の Nature ハイライト 宇宙:続々と見つかる古いガンマ線バースト 気候:土壌炭素の謎 環境:有機物質上での光化学反応 化学:巨大分子の骨格を切断する 細胞:骨格作りの基盤となるタンパク質のチームワーク 進化:低毒のカエルに似せて身を守るカエル 目次へ戻る