Nature ハイライト
Cover Story:高性能液体マイクロレンズ:刺激応答性ヒ ドロゲルで稼動する適応型レンズ
Nature 442, 7102
光学イメージング、医学的診断、ラブ・オン・チップ技術における小型化への流れから、精巧なマイクロレンズが求められるようになっている。自己焦点調節作用をもつという点でほとんどの現行デバイスと異なる、新型高性能液体マイクロレンズが開発された。その重要な構成要素は、マイクロ流体系に組み込まれ、液滴の容器として機能する、刺激応答性ヒドロゲルである。このヒドロゲルは、刺激を感知すると同時に液滴形状を変化させるため、焦点距離が変化する。刺激には、生体物質、化学物質、物理的パラメーターが可能と考えられる。マイクロメートルスケールでは、固定された液体-液体界面を使って安定したデバイスが得られ、10〜数十秒という応答時間が実現されている。このレンズは、事実上いかなる焦点距離も可能で、しかも集積してアレーにすることも容易である。表紙は、ヒドロゲル(縞模様のリング)が局所的刺激に応答してレンズ形状を調節する高性能液体マイクロレンズである。
2006年8月3日号の Nature ハイライト
化学:大きな問い
生態:あたたかい歓迎
進化:くちばしの長さはカルモジュリンで決まる
遺伝:描き出された幹細胞
宇宙:宇宙論のパラドックスを解く
宇宙:赤色巨星の近傍で生き延びる
環境:日光が分解を促進する
認知:顔をひと目で見分ける
地球:プレートテクトニクスの最も初期の徴候
細胞:プリオンの作用は分割で決まる