Nature ハイライト
Cover Story:微化石の内部を見る:初期の多細胞動物胚の 構造を今までにないほど詳しく解明
Nature 442, 7103
リン酸カルシウムが含浸して、表面が固くなり完璧な状態で保存された5億年前の動物胚の化石は、動物進化における重大な時期の胚発生に関する貴重な情報が含まれている可能性があるため、大きな興奮を呼び起こした。これらの胚化石は非常に小さく、調べるのがむずかしいが、新しく開発された技術によって、これまで見ることのできなかった詳しい構造まで復元できるようになった。この新技術は、シンクロトロンX線源を使ったサブミクロン・スケールの断層撮影解析法で、これによってどのような構造までが化石化されるかという限界に関する問題がいくつか解決された。知られるうちで最古の左右相称動物胚であるMarkueliaとPseudooidesの非常に小さな化石内部の詳細な構造に関する珍しいデータから、Markueliaでは系統発生についての疑問の一部が解消し、Pseudooidesでは未知の発生モデルが示された。
2006年8月10日号の Nature ハイライト
環境:答えは足下にある?
医療倫理:幹細胞提供への報酬
植物:洪水に負けない
宇宙:宇宙のリチウムはどこに消えた?
宇宙:太陽系のちっぽけな天体たち
物理:イオンが多いと光の伝搬が楽になる
地球:マグマが世に出るまで
生理:フェロモンをかぎつける
免疫:免疫系の新しいシグナル伝達経路
認知:顔を顔として見る