Nature ハイライト
Cover Story:運動の効果:持久運動によって生じる分子変化のマッピング
Nature 629, 8010
定期的な運動が健康に良いことは意外ではないが、この健康効果の背後にある分子機構は、まだよく分かっていない。今回、MoTrPAC(Molecular Transducers of Physical Activity Consortium)は、持久運動時に起こるさまざまな変化を分析することによって、この問題に取り組んだ。著者たちは、雄ラットと雌ラットを使って、8週間にわたるトレッドミル運動時における多岐にわたる組織のトランスクリプトーム、エピゲノム、プロテオーム、メタボローム、リピドーム、イムノームの変化を測定した。その結果、数千の分子変化が特定され、こうした変化が全体として、体が運動に適応する際に免疫、代謝、ストレス反応経路にどのような利点をもたらし得るかについての知見が得られた。
2024年5月2日号の Nature ハイライト
天文学:急速に星形成を停止したz = 7.3にある銀河
原子物理学:229mTh3+アイソマーの精密レーザー分光
熱物理学:ナノ構造体における黒体限界を超える放射熱伝達
量子情報:ウエハーレベルのスピンキュービットデバイスの検査
電池:ゲル電解質による電池の性能と安全性の向上
化学:長時間にわたるアンモニア電解合成の実現
化学:酵素と光触媒による非天然型アミノ酸合成
生態学:温暖化による等温線の鉛直移動を追い掛ける
発生神経科学:交感神経系の起源に新見解
進化学:飛膜を生み出した遺伝子発現の調節機構
進化遺伝学:ヒトのセントロメアの完全な解読とその進化の特徴
神経科学:アストロサイトネットワークによる神経活動の符号化
細胞生物学:骨格筋の加齢変化の細胞アトラス
微生物学:ストレプトミセス属細菌で見つかった新たなクラスの毒素
炎症:グルココルチコイドによる抗炎症作用の新たな機構
細胞生物学:性差の調節の手掛かりとなる細胞アトラス
免疫療法:FOXO1過剰発現によるCAR T細胞療法の改善
分子生物学:インテグレーター複合体によるPol IIの遊離と転写終結の仕組み
生化学:小胞によるモノアミン取り込みと輸送の仕組み