Nature ハイライト
Cover Story:帆翔飛行の要:翼の下にある気嚢が、帆翔する鳥類の滑空を助ける
Nature 630, 8017
表紙の写真のアカオノスリ(Buteo jamaicensis)のような猛禽類は、その多くの時間を、帆翔飛行しながら過ごす。今週号ではE Schachnerたちが、こうした鳥類の飛行様式を維持するのに役立っている、翼と呼吸器系の関連性を明らかにしている。彼女たちは、翼を羽ばたかせる主要な筋肉の間に位置していて翼の下の胸部に気嚢を形成する、呼吸器系の延長である胸筋下憩室(SPD)に注目した。研究チームは、SPDは帆翔飛行を行うほとんどの種に存在しているが、他の種には存在しないことを見いだした。帆翔する鳥類は、SPDの気嚢を自在に膨らませることができ、こうした気嚢は、滑空時に翼を広げ続けるために必要なエネルギーを軽減している。
2024年6月20日号の Nature ハイライト
惑星科学:二次大気を持つ太陽系外の岩石惑星かに座55番星e
量子シミュレーション:300個のイオンによるサイト分解量子シミュレーション
人工知能:大規模言語モデルに現れる「幻覚」への対症法
LED:結晶化戦略による放射再結合の加速とLED効率の向上
グラフェン:無酸素化学気相成長法によるグラフェン合成
ナノスケール材料:帯電した固–液界面の原子ダイナミクスを探る
コロイド:コロイド系における加工硬化
エネルギー材料:荷電吸着剤による二酸化炭素の捕獲
生態学:CO2レベルが高いと土壌のリンは微生物に先取りされる
考古学:旧石器時代の炉床をヒトの寿命に近い時間スケールで紐解く
神経科学:麻薬嗜癖にミエリンが関与か
神経回路:運動意図を行動に変換する
神経回路:体内の炎症状態を感知して調節する身体–脳回路
認知神経科学:嗅内野の活動パターンと認知地図の関連付け
微生物学:ファゴソーム中に濃縮されるタンパク質を標識して解析する新しい方法
生物工学:DNA鎖の非対称性ががんゲノムの進化を方向付ける
生物工学:DNAの塩基置換を単一分子レベルで検出する方法の開発
構造生物学:カイニン酸受容体の活性化とゲート開閉機能
構造生物学:アンギオジェニンのリボソームによる活性化