Nature ハイライト

宇宙:小惑星1862番アポロの加速する自転

Nature 446, 7134

YORP効果、すなわちYarkovsky-O'Keefe-Radzievskii-Paddack効果は、太陽系でかなり大きな役割を果たしている。この作用を実際に観測するのは非常にむずかしいが、今回、小惑星1862番アポロで観測に成功した。YORP効果は、形状の非対称な天体が太陽エネルギーを反射し再放射するときに生じる。生じた力は、天体の自転を駆動するエンジンとして働く。また、非対称な天体では時間の経過と共に反射光量が変化するので、これによって小惑星の自転を追跡することができる。小惑星1862番アポロの自転の記録を見直してみると、この小惑星は1キロメートルを大きく超える大きさなのにもかかわらず、YORP効果によって自転速度が増大し、ちょうど40年で1回転分、つまり事実上1日が増えたことがわかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度