Nature ハイライト
Cover Story:ニューロンの移動:ギャップ結合がする仕事
Nature 448, 7156
ギャップ結合は、隣接する細胞どうしが小孔やチャネルを形成し、シグナル分子やイオンが細胞間を自由に行き来できるようにする構造であり、脊椎動物では成熟細胞や発生中の細胞の多くでみられる。その機能は主に、細胞間の分子輸送だと考えられてきた。だが、それ以外にも役割があることがわかった。Eliasたちは今回、ニューロンの移動にギャップ結合がかかわっていることの証拠を示している。移動に重要なのは、ギャップ結合のチャネルの伝導性ではなく、ギャップ結合タンパク質の接着特性や細胞間接触部位の性質であることも明らかにされた。この発見は、脳の発生にかかわるだけのものではない。腫瘍転移への関与など、ギャップ結合の他の多くの機能も、小孔としての働きだけでなく、接着機能にも依存している可能性が出てきているため、ギャップ結合はこれまでに考えられたことのないような方法で調べられるかもしれない。表紙は、脳で放射状に広がる繊維に沿って移動するニューロンと、細胞接着部位を作り出すギャップ結合群(オレンジ)(Letter p.901)。
2007年8月23日号の Nature ハイライト
生化学:内部を探る
神経:強迫性障害のマウスモデル
地球:最も古いダイヤモンド
進化:ゴリラとたもとを分かったとき
生態:逝くときは一緒
物理:原子を使って光子を数える
地球:北極は氷に覆われていなかった
気候:クロール・ミランコヴィッチ理論を検証する
生化学:抗うつ薬の設計
免疫:自己免疫の引き金