Nature ハイライト

Cover Story:核の門番:核膜孔複合体の構

Nature 450, 7170

核膜孔複合体は、細胞質と核内部をつなぐ物質輸送路の門番として、細胞内で重要な役割を果たしている。核膜孔複合体は、約30種のタンパク質がそれぞれ複数個集まった、456個のタンパク質分子からなる大きな超分子複合体である。細胞生物学では、個々の分子がどのように配置されているのかに関心が集まっているが、通常の構造研究ではこれまで解明できなかった。しかし今回、プロテオミクスに基づく新手法により、酵母の核膜孔複合体の詳細な構造が明らかになった。複合体の半分はコアとなる足場からなり、複合体が埋め込まれている核膜孔の表面を覆うネットワークを形成している。選択輸送障壁は、足場の内面を覆う多数のタンパク質で形成されている。その大きさにもかかわらず、複合体はほんの数個の構造モジュールからなる。基をなすこの単純さは、「始原的な」核膜孔複合体からの進化起源を示している可能性がある(Articles pp.683, 695, N&V p.621, www.nature.com/podcast, www.nature.com/news参照)。表紙は、核膜(灰色)にみられる直径100 nmの核膜孔を示す模式図。

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