Nature ハイライト

顕微鏡学:原子の種類を見分ける電子顕微鏡

Nature 450, 7170

微細構造の評価は、複雑な材料を研究する上で重要である。例えば、半導体デバイスはナノメートルサイズの構成要素からなり、それらの性能は原子レベルの微細構造に依存している。電子顕微鏡で個々の原子を解像することは可能だが、化学種まで識別することはできない。走査型透過電子顕微鏡法(STEM)と電子エネルギー損失分光法(EELS)を組み合わせることによって、個々の原子列の化学組成分析が可能になるはずだが、実際上の問題は完全な二次元解析が不可能だったことだ。今回、問題の一部が克服されたため、STEM/EELSイメージングを用いて層状マンガン酸化物La1.2Sr1.8Mn2O7中のランタン、マンガン、および酸素の原子列が二次元画像として視覚化された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度