Nature ハイライト

生理:血管新生を抑制する抗体

Nature 450, 7171

骨髄由来の細胞は、腫瘍内の血管新生を促進することがわかっている。今回、血管新生ペプチドであるBv8(別名プロキネチシン-2)のこの過程への関与が示唆された。免疫不全マウスに移植した腫瘍は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を分泌する。G-CSFは、本来は血液細胞の増殖分化に関与する因子だが、ここで分泌されたG-CSFは骨髄でのBv8の産生を増大する。そしてBv8は、「好中球」系列の白血球を腫瘍へと動員する。Bv8に対する抗体は血管新生を抑制し、一部の腫瘍の増殖を阻害するので、特に細胞傷害性の薬剤を用いた化学療法と併用した場合に、有効な抗癌剤となるだろうと考えられる。

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