Nature ハイライト

細胞:抗がんマイクロRNA

Nature 451, 7175

最近の研究によって、がんではマイクロRNAが全体的に下方制御されていることが明らかになり、すべてのマイクロRNAを人為的に下方制御すると腫瘍の成長が促進されることも判明している。骨や肺へ転移するヒト乳がん細胞のマイクロRNAをマイクロアレイにより調べた結果、ヒト乳がんの発生と転移に、miR-126とmiR-335という2種類のマイクロRNAが関係していることがわかった。転写因子SOX4や細胞接着にかかわるタンパク質テネイシンCを標的とするmiR-335の発現がなくなると、乳がん細胞の浸潤が促進される。乳がん患者では、miR-126とmiR-335が発現していないことが、予後不良の指標となる。

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