Nature ハイライト

生態:食物網中に現れるカオス

Nature 451, 7180

多くの数理モデルは食物網でのカオスを予測しており、気候変動や生息地減少の結果として生じる種個体数量の将来変化をどの程度予測できるかに疑問を投げかけている。この「生態学的」カオスは単純なモデル系では示されているが、実際の生態系ではまだ確認されておらず、そのため、実世界では何らかの仕組みでカオスが避けられている可能性が示唆されていた。しかし今回、バルト海から採取された海洋プランクトン群集での長期(8年)にわたる実験研究で、「天然」のカオスを示す個体群動態が明らかになった。これは、実際の生態系の長期的動態の予測が、現在では極めて困難であることを示唆している。

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