Nature ハイライト

物性:「遍歴」オキシプニクタイド超伝導体

Nature 455, 7209

鉄オキシプニクタイドとして知られる鉄系層状化合物で超伝導が発見されて、高温超伝導に再び関心が集まるようになった。このようなオキシプニクタイドの基底状態の性質については、2種類の異なる理論が提唱されており、基盤となるバンド構造が2つの間で対照的である点が特徴である。はっきりした結論が出ない一因は、電子構造に関する決定的な実験情報が欠けていることだ。今回Luたちは、臨界温度がTc=5.9 Kという鉄オキシプニクタイドLaOFePの角度分解光-電子分光(ARPES)について報告している。Luたちの結果は、銅酸化物超伝導体にみられる「モット絶縁体」状態に似た基底状態よりも、「遍歴」基底状態のほうを支持している。

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