Nature ハイライト

医学:サイトメガロウイルスの受容体

Nature 455, 7211

ヒト血小板由来増殖因子α受容体(PDGFR-α)は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)のヒト細胞への感染に必要であることが知られている。HCMVは、ヒトの先天性感染症の原因として最もよくみられるヘルペスウイルスであり、HIVや移植患者では生命にかかわる病気も引き起こす。PDGFR-αが不活性化されると、HCMVは細胞に侵入できず、ウイルス遺伝子は発現されない。現在利用可能な2つの薬剤、つまり、抗がん剤であるイマチニブ(グリベック)とPDGFR-α阻止抗体であるIMC-3G3が、ヒト細胞でHCMVに対して効果があるという重要な知見が得られた。これは、これらの薬剤がHCMV感染の治療に使える可能性を示唆している。

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