Nature ハイライト

免疫:インターフェロンに行動を起こさせる

Nature 455, 7213

DNAウイルスやRNAウイルスの感染を認識し、インターフェロン産生を引き起こして体内の自然免疫系を活性化する分子STING(STimulator of INterferon Genes)を同定したことを、H IshikawaとG Barberが報告している。STINGは、これまで性質が明らかになっていなかったタンパク質で、インターフェロンβ遺伝子のプロモーター活性化能に関する発現クローニングで同定された。STINGは、主に小胞体に存在しており、IRF3経路およびNF-κB経路の活性化を介してインターフェロン産生を促進する。STINGは、RNAウイルスの感知に関与するパターン認識受容体であるRIG-Iタンパク質や、トランスロコンアダプターSec61βとも相互作用するため、新生ポリペプチド鎖を小胞体内部に移行させるためのチャネルであるトランスロコンが、自然免疫系のシグナル伝達経路に関与していることが示唆される。

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