Nature ハイライト

材料:超平坦なグラフェン

Nature 462, 7271

グラフェンは、新奇な基本特性をもち、エレクトロニクスに応用できる可能性があるため、集中的に研究が行われている。グラフェンは本質的に二次元で、原子1個分の厚さの炭素原子層だが、実際は常にわずかにしわが寄っている。基板上にあっても宙づりになっていても常にリップル(さざ波状の構造)があり、グラフェンで観測された実に多様な特性は、このリップルで説明できると考えられている。今回、コロンビア大学の研究チームが、超平坦グラフェン作製法を開発した。炭素原子としっかり結合するマイカ(雲母)の、原子レベルで平坦な表面上にグラフェンを堆積させたのである。つまり、リップルの形成は、高品質グラフェンの本質的特徴ではないことになる。超平坦試料が得られたことで、リップルがグラフェンの物理的特性や電子的特性に及ぼす影響の研究が進みそうだ。

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