Nature ハイライト

遺伝:Dicerを必要としないマイクロRNA

Nature 465, 7298

マイクロRNA(miRNA)とよばれる種類の低分子RNAは遺伝子発現を調節していて、長い配列として転写され、プロセシングを受けて成熟型となる。このとき、DroshaとDicerという2つのヌクレアーゼが順次作用して、miRNAを適当な大きさにまで切り縮める。今回、miR-451を代表とする、赤血球形成にかかわるmiRNA群の1つが、Dicerなしでプロセシングを受けることが示された。2番目の切断は、Dicerの代わりにAgo2によって行われる。Ago2は、miRNAとメッセンジャーRNAを結合させる複合体の一部であるArgonauteタンパク質の1つである。動物のArgonauteタンパク質の核酸分解活性は高度に保存されているが、miRNAが行う遺伝子調節でのArgonauteの役割は、はっきりしていない。今回の新知見は、Argonauteの触媒活性の保存と、脊椎動物の発生にとって重要なmiRNA生合成の保存された機構とを結びつけるものだ。

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