Nature ハイライト

宇宙:地上の望遠鏡がとらえた巨大地球型惑星

Nature 468, 7324

「ホットジュピター」などの多くの太陽系外惑星については、質量と半径が測定されれば、惑星の密度を計算し、全体の組成を推論するのに十分である。しかし、もっと小さい「スーパーアース」、つまり巨大地球型惑星の場合にはやっかいなことになる。例えば、最近発見された、恒星前面を通過(トランジット)するスーパーアースGJ 1214bの場合、質量と半径はわかっているが、組成に関する3つの異なるモデルがいずれもデータと矛盾しない。不確実さを減らそうとするなら、大気組成に関するほかの情報が必要となる。今回、まさにこうした情報を得られる方法が開発された。チリのアタカマ砂漠に設置された超大型望遠鏡VLTを用いた研究チームが、GJ 1214bの波長780〜1,000 nmの透過スペクトルを得た。このスペクトルによって、水素を主成分とし、雲のない大気は除外される。もしこの惑星の大気がほとんど水素だとすると、もやがかかっているはずだが、あるいは濃い水蒸気が存在する可能性もある。地上の望遠鏡によるこの新しい観測方法は、太陽系外惑星の観測をずっと実際的なものにするので、今後数か月の間にスーパーアースについてのニュースがさらに期待できる。

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