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Cover Story:ファミリーの絆:地理的に隔離されているオランウータン2種のゲノムの解読がもたらす種の保存への期待

Nature 469, 7331

ファミリーの絆:地理的に隔離されているオランウータン2種のゲノムの解読がもたらす種の保存への期待
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Credit: PERRY VAN DUIJNHOVEN/CAREL VAN SCHAIK

東南アジアに生息する大型類人猿であるオランウータンのゲノム配列が解読された。今回得られたのは、スマトラオランウータン(Pongo abelii)の雌1個体の概要ゲノム配列と、スマトラオランウータン5個体およびボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)5個体からの短鎖リード配列データである。解析から、ボルネオオランウータンとスマトラオランウータンでは、ゲノム全体のヌクレオチドの一致度が平均99.68%であることが示唆された。この数字は比較的大きな違いがあることを示しており、これら2つの島の個体群の進化史が異なることを表している。オランウータンのこれら2つの種は絶滅危惧種に指定されており、研究チームは、今回のゲノム配列解読結果および個体群間の変動に関する情報が、保全活動にとって貴重な情報源となることを期待している(Letter p.529)。

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