Nature ハイライト

医学:HIV/AIDSのT細胞ワクチン

Nature 473, 7348

最近のHIV/AIDSワクチン臨床試験の失敗は大いに注目を集めたが、その後の研究の重点はウイルス複製を制御するT細胞ワクチンから、感染成立を阻害するワクチンへと移ってきている。Hansenたちは、サイトメガロウイルス(CMV)ベクターを用いて、新たな経路からのT細胞免疫の誘導を試み、アカゲザルCMVを用いて作製したサル免疫不全ウイルス(SIV)ワクチンが、SIV投与から長期にわたってアカゲザルを防御することを見いだした。この防御は、組織に常在するエフェクター記憶T細胞の応答によって仲介されるようで、CMVのような持続性のベクターがHIV/AIDSワクチンに有効である可能性を示唆している。

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