Nature ハイライト

化学：注目されるフッ素化

2011年5月26日 Nature 473, 7348

フッ素原子は、有機化合物に組み込まれると、有用な特性をもたらすことが多い。例えば、フッ素化によって、材料の熱安定性や医薬品の代謝安定性が向上することがある。最近の進歩によって、複雑な有機分子中の特定の位置に炭素–フッ素結合を形成できるようになり、フッ素化化学に新しい高生産時代への道が開かれた。今週号のReviewで古谷建たちは、炭素–フッ素結合形成反応に伴う固有の難問について述べ、このような問題の克服に役立った突破口について考察し、将来の研究について考えられる方向性をまとめている。