Nature ハイライト
細胞:ショウジョウバエの女王
Nature 473, 7348
ミツバチの集団における女王バチと働きバチの違いは、遺伝的要因ではなく栄養によるもので、ローヤルゼリーを食べた幼虫が女王バチへと分化する。ローヤルゼリー中の活性成分はこれまでずっと明らかになっていなかったが、ロイヤラクチンであることを鎌倉昌樹(富山県立大学)が突き止めた。ロイヤラクチンは以前から知られているタンパク質で、ラット肝細胞に上皮増殖因子(EGFR)に似た作用を及ぼす。意外なことに、ロイヤラクチンはキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)でも女王バチに似た表現型を誘導し、EGFRがかかわるシグナル伝達経路を介して体のサイズを大きくし、卵巣の発生を促す。
2011年5月26日号の Nature ハイライト
医学:合理的に設計されたワクチンに向かって
化学:注目されるフッ素化
細胞:ショウジョウバエの女王
細胞:一分子レベルの分解能で見るタンパク質複合体
宇宙:火星の形成過程
物理:電子はどのくらい丸いのか
進化:真核生物の淡水移行の黎明期
疫学:ブタでのブタインフルエンザの監視
医学:HIV/AIDSのT細胞ワクチン
生理:肥満における脂質代謝