Nature ハイライト

遺伝:多因子疾患の遺伝的感受性

Nature 477, 7362

多因子疾患の発症には遺伝的素因と環境要因との相互作用が重要である。この相互関係の解明に有望と思われる方法の1つは、全ゲノム関連解析(GWAS)と、機能的中間体の表現型である血中代謝産物の解析の組み合わせである。この方法の有効性が今回、ドイツの「KORA F4」および英国の「Twins UK」という集団研究のデータを併用した大規模な共同研究によって実証された。GWASのデータと、2,820人を対象として60種類の生化学的経路をカバーする非標的型メタボロミクスとを使って、血中代謝産物濃度と関連する遺伝子座が37個見つかった。そのうち25個はGWASにしては異例なほど影響が大きく、つまり相関性が高かった。この関連解析の結果は、心血管および腎臓疾患、2型糖尿病、がん、痛風、静脈血栓塞栓症、クローン病など、これまでに報告された多くの疾患関連解析を考察するための新たな機能的手がかりとなる。

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