Nature ハイライト

生態:タラは戻るか

Nature 477, 7362

北西大西洋のタラ個体群は、20年ほど前に突然、急激に崩壊した。その後、タラ漁は禁止されたが、現在まで目立った回復は見られていない。Frankたちは今回、その崩壊の特性および崩壊が長期化している理由について報告している。従来の生態系に代わる崩壊した生態系の長期化は、上位捕食者のかつての被食者であった餌用魚の暴走的で振動性の消費動態に支配されていることが見いだされた。しかし現在、この被食者魚種は、餌となる動物プランクトンの供給量を上回ったため減少しつつある。この生態系では大型の動物プランクトンが増加する傾向が見られ、かつての生態系の状態に徐々に戻ることが可能と考えられる。この結論は、崩壊したほかの漁場にとっても朗報と言える。

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