Nature ハイライト

生理:感覚受容体の交差抑制

Nature 479, 7371

感覚の中には、色覚や嗅覚などのように、化学物質や光を感知する1種類の特異的Gタンパク質共役型受容体を作る単一の感覚ニューロンに依存するものがある。嗅受容器での排除的遺伝子発現を説明しようと、さまざまな機構が考えられているが、分子レベルでの経路についてはまだ解明されていない。C Desplanたちは、ショウジョウバエ成体の光受容細胞R8のうちで、緑色光を感知するロドプシン6タンパク質を本来発現しているサブタイプが、ハエを暗所に長く置いたり、ロドプシン6を変異させたりすると、青色光を感知するロドプシン5を「誤って」発現するようになることを明らかにしている。つまりrh6を発現するニューロンでは、rh5遺伝子の転写を光が抑制することでrh5遺伝子に対する負のフィードバック系が実現している。このフィードバック系は、脊椎動物の嗅覚ニューロンでのにおい受容体遺伝子の制御に似ている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度